■ はじめに
都市部を中心に広がる「副業・兼業の解禁」──。
実はこの流れが、地方創生の“人材不足”という課題を補完する存在として注目を集めています。
本稿では、厚生労働省や中小企業庁の調査結果を踏まえ、副業・兼業人材の活用状況と、地方での展開可能性をレポートします。
■ 副業・兼業の実態(統計からの視点)
◯ 増える副業志向
厚労省「令和4年度 副業・兼業に関する実態調査」では、**20代〜40代の約35%が「副業を希望している」**と回答。
特に、スキルアップ/地域貢献/複数キャリア形成を目的とする人が多数派。
◯ 地域とのマッチングはまだ限定的
中小企業庁の報告では、副業人材を**「受け入れたことがある地方企業は全体の8.7%」**と少数にとどまる。
地域側には「業務を任せる準備が整っていない」「契約や管理が難しい」といった課題がある。
■ 副業・兼業人材の活用による地域へのメリット
① 経営課題への“即戦力投入”
例:都市部のIT人材が、地方中小企業のWebマーケティングをリモート支援
→ 雇用リスクなく、プロ人材のノウハウが活かせる
② 組織の“化学反応”を促進
→ 外部人材の参画により、社内に新しい視点やスピード感がもたらされ、経営者・社員の意識変化が生まれる
③ 将来的な「関係人口人材」・移住候補への転換
→ 「副業で関わる → 定期訪問 → 地域への関心・信頼醸成 → 定住」という流れが、新たな地域関係モデルに
■ 地域展開を進めるための課題と提言
【課題】 【改善アプローチ】
・契約・報酬設計の不安 → プラットフォーム利用、業務委託雛形の共有
・地元人材との役割分担 → 事前合意形成・W伴走体制の導入
・プロジェクト設計力不足 → 伴走型コーディネーター配置、自治体の間接支援
■ おわりに
副業・兼業人材の活用は、単なる“労働力の補填”ではありません。
それは、地域に外の風を通し、「地域をひらく装置」としての機能を果たす可能性を持っています。
みらい株式会社では、関係人口戦略・副業人材とのマッチング支援・プロジェクト設計まで、**地域と人材の“縁を育む支援”**を行っています。
地方でこそ活きる、副業という選択。
それは、未来の担い手を“今から”育てる一歩です。